おすすめ洋楽アルバム***VAI Sex & Religion
私のおすすめ洋楽アルバムを紹介します。
VAI Sex & Religion(1993年)
VAIはスーパーギタリスト、スティーヴ・ヴァイのバンドプロジェクトです。
参加メンバーは恐ろしく贅沢です。
参加メンバー
スティーヴ・ヴァイ(G.Key)
デヴィン・タウンゼント(Vo)
T.M.スティーヴンス(B.Vo)
テリー・ボジオ(Dr.Per)
スティーヴ・ヴァイとは
スティーヴ・ヴァイはアメリカのギタリストでジョー・サトリアーニに師事し、バークリー音楽院を卒業。
フランク・ザッパの採譜をキッカケにフランク・ザッパのアルバムでプレイ。
ソロアルバムも出しつつ、アルカトラス、デイビッド・リー・ロス・バンド、ホワイト・スネイクにも参加。
天才ギタリストと言うより奇才と言った方が正しいかもしれません。
音楽的には、広い意味でフランク・ザッパの影響が大きい様に感じます。
Sex & Religion
このアルバムは全曲スティーヴ・ヴァイの作品で一曲目からラストまで物語の様に展開して行きます。
ヴァイのプレイは極彩色の絵画の様で、ヴァイ特有の和音やギターのアーミングが神経を逆撫でされる様な感覚でくせになります。
T.M.スティーヴンスのベースプレイはスラップがスリリングで心地よく、曲にエネルギーを与えている様に感じます。
シャレの効いたヴォーカルも聴きどころです。
テリー・ボジオのドラミングは彼の個性全開で結構フュージョン寄りなプレイです。クラッシュの手数が多いのにも関わらず他のパートを全く邪魔していません。ヘヴィなのに耳触りのいい不思議なサウンドです。
そして、当時全くの無名であったデヴィン・タウンゼントのヴォーカルは緩急のついた表現力が豊かな歌声です。
時にはパンクの様に、時にはオペラの様に。実はこのアルバムの一番の聴きどころだったりします。
全曲紹介
- An Earth Dweller's Retur ガラスの割れる音から始まります。Here & Nowのイントロ。
- Here & Now ヴァイの爽快なリフとT.Mのスラップが絶妙なグルーヴ感。今こそ行動する時、過去は歴史の1ページに過ぎないと言うメッセージの曲。
- In My Dreams With You ヴァイは一歩引いて、デヴィンのヴォーカルが際立ちます。
- Still My Bleeding Heart ヴァイと不治の病の少年との出会いを親の立場で書いた曲。ヴァイ自ら「音楽的にはこれぞ僕の真髄」と語っています。エンディングのデヴィンのヴォーカルが素晴らしいです。
- Sex & Religion Sexと宗教を愛とエゴに重ねている。アレンジ次第で合唱とかにも使えそうです。歌詞が問題ですが。
- Dirty Black Hole アルバムの中で最もヘヴィで、デヴィンもシャウトしまくりです。ボジオがドラムを人間の限界を超えそうな位激しく叩いています。手数が多いと言う意味ではありませんが。
- Touching Tongues ギターメインのインスト。とても表現力豊かにプレイされています。本当に美しい曲です。
- Just Cartilage T.Mをフューチャーしたヘヴィな曲です。日本版のボーナストラック。
- State of Grace シタールを使用したヒーリングミュージックの様です。ヴァイの音楽的な幅の広さを感じます。
- Survive デヴィンの叫び声から始まります。ロックなサウンドに乗せられた歌詞が素晴らしい。”空の太陽の様に、我々は沈み、また昇る。互いの命が続くよう、助け合いながら。”
- Pig ギターで豚の鳴き声を表現しています。豚から自由を学べ?ヴァイ節とも言えるサウンドです。神経を逆撫でされまくり!
- The Road to Mt. Calvary イエスが十字架に掛けられる場面の一部始終をサウンドで表現。Down Deep into the Painのイントロ。
- Down Deep into the Pain シングルカットされた曲で、MTVでも度々流れていました。苦痛は人を進化させると言う内容。後半にヴァイの息子ジュリアン君の誕生シーンが入っています。このアルバムのハイライト。
- Rescue Me or Bury Me ヴァイの長いギターソロが入っています。エンディングは一曲目のAn Earth Dweller's Returnに繋がって行きます。輪廻を表現しているのでは。
ヴァイの価値観のバンド・アルバム
この時点まで、ヴァイはアルカトラス、デイビッド・リー・ロス、ホワイト・スネイクとバンド・アルバムに携わっていますが、ヴァイの音楽性を表現したバンド・アルバムはこの時点では唯一のアルバムです。
Flex-AbleやPassion and Warfareよりは聴きやすく楽しめます。
また、これを聴いてからPassion and Warfareを聴くと、気付かなかった所に気付いたりできます。
スティーヴ・ヴァイ入門としては持ってこいのアルバムです。