トラック業界の人手不足
私は大型トレーラーのドライバーをしています。運送業に携わって今年で24年目になります。
昨今のニュース等で宅配業者の人手不足が伝えられていますが、私の勤める会社も例外ではありません。
若いドライバーが育たない
私の会社は自動車関連の輸送会社で給料も悪くありませんし、法令遵守を積極的に進める会社なのですが、若い人が入社してもなかなか続きません。
理由の多くは労働時間が長い、休みが少ないからだそうです。
法令遵守と言っても月間労働時間の上限いっぱいまで働かないとなかなか良い給料になりません。
これは多くのトラックドライバーに言える事でしょう。
でも、イマドキの若者はお金より時間なのでしょうか。
また、不規則な勤務時間が嫌だと言う人も多いです。
だから私の勤める会社は多くが40代以上のドライバーで構成されてます。
まさに高齢化です。
働き方改革に疑問
若者に運送業で働いてもらうには政府主導の働き方改革を実行しなければならないのだろうけど、1日8時間の労働時間内に荷物を積んでトラックで運べる範囲はたかが知れています。
運行前のトラックの点検+荷物をトラックに積み込む時間+配達先への往路+休憩時間+荷物をトラックから降ろす時間+配達先からの復路。
これを全て8時間で終わらそうとしたら、そんなに遠くまでは行けません。
運賃アップが不可欠
人手不足を解消して、働き方改革も実行するには大幅な運賃アップが不可欠だと思うのですが、肝心の荷主がこれに応じるとは思えません。
荷主にとっては運賃など経費でしかないからです。
運賃を上げても、そこから協力金と言う名目で金額を差し引いて、結局今迄と同じ運賃と言うケースもあります。
荷主も運送は人件費、燃料代、高速代、車両代、整備費用など、固定費用が沢山かかると言う事を理解しなければなりません。
事故防止も大切
これらを無意味に節約すると交通事故、商品事故を起こしてしまう事になってしまいます。
今の世の中、大事故でも起これば世間からも冷たい視線を浴びせられ見放されてしまいます。
安全と運賃は関係無いとは思わないで頂きたいです。
政府が現実をしっかり把握して働き方改革を実行できる環境を整える事を先にしなければならないのでは?と思うのです。
全てを運送業者とトラックドライバーに改善する様にに押し付けても、とっくに限界が来ています。
無意味な規制緩和をして運送業界を混乱させた国の側も目に見える形で責任のある対策をとらなければならないと思います。