侵略的外来種
ここ数日、尼崎港と神戸港で見つかったヒアリが話題になっています。
入れてはならない生物No.1
昨日、MBS毎日放送の情報ワイド番組「ちちんぷいぷい」とニュース番組の「VOICE」を見ていると、人と自然の博物館の橋本主任研究員という方が出演されていて、「世界で絶対入れてはいけない100種類の生き物を、世界の機関から選んでいる中のナンバー1。シン・ゴジラがポートアイランドに上陸した感じなので叩かなくては」とおっしゃっていました。
現時点で100匹以上発見されていますが、女王アリがまだ発見されていないという事らしいです。
でも、1〜2年定着していたなら新たな女王アリが卵を産んで繁殖している可能性もあるそうです。
大量の卵も見つかってるので女王アリもいるのでは?と思ってしまいます。
過去にも同じ様な事が…
20年くらい前にも同じ様な事がありました。
大阪府高石市で見つかったセアカゴケグモです。
当時もやはり大騒ぎになりましたが、今はすっかり日本に定着しています。
今回もセアカゴケグモの当時と同じ様な道を辿るのではと心配です。
ヒアリとセアカゴケグモとでは、環境に与える影響がヒアリの方が格段に大きいそうです。
琵琶湖にも外来種
私の暮らす滋賀県にも外来種の問題があります。
そう、ブラックバスやブルーギルの問題です。
琵琶湖の固有種に大きな打撃を与えた外来魚ですが、問題化してから数十年経ちますが、未だ解決につながっていません。
食用化に向けての動きもありますが、イメージがよろしく無いので余り進んでいません。
海外でも
この手の問題は海外でも結構ある様です。
私の暮らす滋賀県と姉妹都市であるアメリカのミシガン州ではアジアン・カープと呼ばれる鯉が大きな問題となっているそうです。
始めは貯水池を浄化するために養殖されていたのが、ハリケーンによる洪水で河川に流出してしまった様です。
ミシガン州政府はGreat Lakeと呼ばれるミシガン湖への流入を何としても阻止したいそうです。
在来種と外来種
外来種の問題は植物にもあります。
ミシガン州で思い出したのですが、日本で爆発的に蔓延る外来種のセイタカアワダチソウがミシガンでは在来種の絶滅危惧種の様な存在だそうです。
数年前、滋賀で行われたアートイベント「アート・フロム・ザ・レイクス」に非常に興味深い展示がありました。
Jane Kramerさんというフォトグラファーの方の作品で、侵略的外来植物で作った紙に絶滅が危惧される在来植物の影を焼き付けるという非常に強烈なメッセージのフォト作品が展示されていたのです。
Jane Kramer:: Photography(JaneさんのHP)
人と物流の動きが活発になるのは良い事だけど、来てはいけないものが、来てはいけない場所に来るという事は防がなければなりません。
流入を防ぐ
私は長野県の八島が原湿原に時々遊びに行きます。
八島が原湿原への入口にトンネルがあるのですが、そこにはシューズに付着した泥や種子を除去するマットがあります。
なぜ、そんなマットがあるかといえば、貴重な生態系を維持する為です。
小笠原諸島へ上陸する時にも同様のマットがあるそうです。
生態系を守るためには人間同様に物流コンテナの洗浄や貨物船のバラスト水のろ過が絶対必要だと思います。
コストがかかっても地球の生態系の多様性には代えられないのです。