災害と取材と報道
テレビ、ラジオの報道番組は九州の豪雨災害の報道一色です。各局が次々に被災地に入って取材を行っている事でしょう。
災害の時にマスコミの取材マナーが良く話題になります。
熊本地震地震の時も被災地での食料の入手やマスコミによる交通渋滞など課題点が浮かび上がりました。
災害の取材は大切な事
災害の発生した時にマスコミはあらゆる手段で現地へ入って取材をします。
それは彼らには伝える使命があるからです。
今、何が起こっているか。何が必要か。
マスコミが入らなければ行政の発表のみになってしまうので正確な情報を発信するのは大変難しいです。
行政の人たちも被災者ですから。
マスコミ取材が復旧作業の邪魔などと批判に晒される事が多々ありますが、マスコミ報道も大切なのです。
戦時中は行政の発表のみ
戦時中に日本は巨大地震に見舞われているのを知る人は決して多いとはいえません。
1943年の鳥取地震、1944年の東南海地震、1945年の三河地震。いずれも数千人の死者、行方不明者を出しています。
しかし、戦時中の自然災害や気象情報は国家機密なので、当時大本営発表の内容を記事にするのみの新聞、ラジオでは実際の被災状況が正確に報道される事はありませんでした。
マスコミが機能していなかったのです。
これらの地震の真実が広く世間に伝わったのは相当な月日がたってからだと思います。
知る事の大切さ
我々も自分の暮らす日本で起こっている事は知らなければなりません。日本国民だから。
今回の九州での線状降水帯による災害では、SNSを用いた取材もかなり批判されています。被災者がSNSに投稿した動画や写真をSNSを通じて使用許諾を得ようとする事が不謹慎だと言うのです。
しかし、被災者が撮影した災害の動画や写真は災害のメカニズム、今後の防災や街づくりに非常に役に立つ資料です。
それを多くの人に見てもらう事は有益だと思います。
最終的には著作権を持つ人が決める事ですが。
ラジオを聴いていても”マスコミ取材は自粛しろ”と言うリスナーのお便りもあったりします。
でも、マスコミが伝えなければ、我々は知る事が出来ません。
人間は知る事で、考えて、進歩するのだと思います。
取材マナー
熊本地震の時に記者がコンビニ弁当を被災地で入手してそれをtwitterで公開した事に批判が集まりました。
私は配給される食料を被災者に混ざって入手するのはいけないと思いますが、売り物を買って食べるのは良いのでは?と思います。当然買い占めはダメですが。
寛容な世の中になって欲しい
私は阪神大震災、中越地震、熊本地震の時に現地に入りました。仕事の取引先の会社や関係会社の片付けを手伝うためです。
阪神大震災の時は携帯食を食べましたが、中越地震と熊本地震の時はコンビニに食料があったので多くの人が利用していました。
実際に被災地に入ると災害に遭われた方々は寛容で一緒にお酒を飲んだりもしましたし、話もいっぱいしました。
遊びに行ったわけではありませんが、思い出としては楽しかったですし、お互い笑顔で「またね!」と言って帰ってきました。
災害に遭われた方々は話したいし、それを伝えて欲しいのだと思います。
当然、”それどころではないよ”と言う方々もたくさんおられますが。
人と人
人と人の付き合いは災害時のモラルやマナー、被災地に負担をかけるな、不謹慎だ、という通り一遍のもので片付けるのは味気ないです。
被災地の方でマスコミ取材を批判する人はあまりいないと思います。
被災地以外の人もマスコミ報道取材に寛容になって欲しいです。
伝えてくれるのですから。
何かよく分からない文章になってしまいました。ご容赦下さい。